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第71回心理学会ワークショップ
今日からあなたもSEMデビュー ―Amosによる分析―
企画者:川端一光 福中公輔 司会者:豊田秀樹 近年, 心理学界のみにとどまらず, 社会科学一般で頻繁に利用されるようになった共分散構造分析(構造方程式モデリング(SEM)とも呼ばれる)は, 代表的な多変量解析手法の多くをその下位モデルとして表現することができる非常に柔軟で一般的な統計解析手法である.しかしその一般性故に,SEMにまつわる数理は複雑であり,完全な理解の為には一定の数学的知識の準備が必要である.統計学を専門としていない心理学者にとって,SEMは敷居の高い解析手法として捉えられているかもしれない.この点に関して,SPSS社が提供するソフトウェア「Amos」では,分析のほとんどをGUI環境で実施できるため,誰もが手軽にSEMで分析することが可能である. 本ワークショップでは, SEMを実施する上で初学者が躓きやすい点に配慮しつつ,Amosを使用した基本的分析手法の紹介を行う.
Amosによる共分散構造分析の基本
Amos7による構造方程式モデリングの実行法について,基本操作・モデル構成法・各種適合度指標の解釈の仕方等を,初学者にも分かり易い形で提示しました.
多母集団分析
Amos7による多母集団同時分析・平均構造分析の実行法について,関連する基礎理論も併せて説明しました.
Amos7によるベイズ推定
Amos7ではMCMC法を利用した構造方程式モデリングのベイズ推定が可能になっている.Amos7を特徴づける本機能の基礎的操作法と,ベイズ推定による不適解への対処について説明しました.
順序カテゴリカルデータへの対処
Amos7ではMCMCによるベイズ推定を実装することで,カテゴリカル変数を含めたモデリングが柔軟に行えるようになりました.MCMCによるデータ補完の概念とともに,基本的な分析手順について説明しました.
指定討論
小松 誠先生(エス・ピー・エス・エス株式会社)
明日のための構造方程式モデリング ―発展的な研究を心理学に役立てる―
企画者:中村健太郎 室橋弘人 司会者:中村健太郎 我が国の心理学分野における構造方程式モデリング(SEM)の利用は大きな広がりを見せており,もはや当たり前の手法の一つと言っても過言ではなくなりつつあります.しかし一方でSEMはまだまだ若い手法であり,方法自体に関する研究が日々進められているという側面があります.本ワークショップでは,そういった新しいトピックの中から,特に心理学の研究において利用価値が高いと考えられるものを選んで報告を行います.具体的な話題としては,まず最近のソフトウェアで実装された特徴的な機能を紹介します.Amosを用いて欠損値のある標本を削除せずに分析する方法や,Mplusを用いてデータの発生過程に細やかな構造を仮定したモデルの推定を行う方法を取り上げます.また理論的な発展として,平均や分散共分散を分析したのでは得られないような知見を引き出すことが可能になる高次積率を用いた手法や,論文を書く際に避けて通ることのできない適合度指標を改善するための方法を論じます.
完全情報最尤推定並びに多重代入法による欠損値への対応
SEMにおいて欠損値を含むデータを効率的に利用するための方法について,特にAmosの場合を取り上げて具体的に解説を行いました.
SEMにおける検定力分析とサンプルサイズ決定への応用
データのモデルへの適合を判断する検定の検定力を求める方法と,これを応用して任意の検定力を確保するために必要なサンプルサイズの目安を定めるための方法について解説を行いました.
遺伝-環境相関の推定ー行動遺伝学1変数モデルにてー
4次の積率を利用することで,従来の行動遺伝学1変量モデルでは識別問題のために扱えなかった遺伝要因と環境要因の相関についても,検討可能となることを示しました.
2段抽出モデルの使い方
研究場面において頻出する2段データを,階層構造を生かして分析することで様々な知見を引き出す方法について解説を行いました.
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