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第73回心理学会ワークショップ
やはり,検定力分析はすべきです! ―power to the people―
企画者:川端一光 司会者:豊田秀樹 統計的仮説検定の適切な利用の為には,検定力分析は必須の過程であり,例えばCohen,Jによってその重要性が古くから指摘されてきた。しかし現在のところ,心理・教育研究において検定力分析の結果が報告されることは極めて稀であり,母集団における統計量の推測に関して研究者にとって不当に有利,あるいは不利な知見が公表されている可能性がある。この現状を踏まえ本ワークショップでは心理・教育研究で利用されることの多い統計手法(t検定,分散分析,共分散構造分析)について, 対応する検定力分析の基礎理論,実践例について4名の話題提供者が解説を行い,検定力分析の重要性について再確認を試みる。それぞれの話題提供においては既に公表されている論文を分析例として利用し,検定力分析の実践的な利用法について検討する。
再考,検定力分析−平均値差の検定力分析を例に−
検定力分析の3つのプロセス,事前の分析(サンプルサイズの決定),事後の分析(標本効果量,標本検定力の算出),明日への分析(標本効果量に基づくサンプルサイズの決定)について対応のないt検定を例にその重要性を解説した。特に事後の分析,明日への分析における標本効果量の重要性について強調した。
平均値差の検定力分析−事例−
教育心理学研究・心理学研究といった代表的な学術雑誌にて報告されているt検定を例に,標本効果量・標本検定力の算出の意義(事後の分析)と,その結果を踏まえた追試の計画(明日への分析)の有効性について解説を行った。
分散分析の検定力分析
一元配置分散分析,多元配置分散分析に関する検定力分析の標準的手続きについて解説を行った。特に,入門的な教科書では論じられていない標本効果量の導出について丁寧な解説を行っている。
SEMのモデル適合における検定力分析
SEMのモデル適合(カイ二乗検定)における検定力分析について,単一モデルとネストしたモデルの2パターンについて理論的な解説を行った。
CANDY BOX SEM ―最新SEMの理論と応用―
企画者:福中公輔 司会者:豊田秀樹
構造方程式モデリング(SEM)は数理的に非常に柔軟であり,かつ応用可能性に優れた統計解析手法である。この手法は高度に理論的ではあるが,パス図を描画して直感的に結果を解釈できるため,人文社会科学系の研究者が利用し,有益な情報を得ている。しかし,SEMの理論は決して完成されたものではなく,現在も日進月歩の勢いで発展を続けている。だが,多くの心理学者にとっては自身の研究で忙しく,SEMの最新の動向にまで手が回らないというのが現状であろう。また,SEMの論文は統計学を専門としていない者にとっては読みにくいという側面もある。そこで本ワークショップでは2000年以降に発表された最新のSEM理論の中で,心理学者にとって役に立つと思われる手法を取り上げ,わかりやすく紹介する。また理論だけでなく,実際のデータを用い,ソフトウェアの使い方,分析の仕方,結果の解釈の仕方など,応用方法も合わせて紹介する。
Rを利用したSEMの導入的話題
Rのパッケージ"sem"によって探索的構造方程式モデリングを行う方法を概説した。
Amosを利用した潜在混合モデリング
潜在混合モデリングについて説明し,Amosでの実行の仕方を発表した。
間接効果の信頼区間と集団間比較
間接効果の信頼区間を求める方法や集団間で比較する方法を,EQSを用いた分析方法とともに紹介した。
探索的構造方程式モデリング
ESEM(探索構造方程式モデリング)の概要およびMplusを用いた分析方法について説明した。
2次因子分析における不変性の検討
2次因子分析において集団間の因子平均が比較可能となる構造について解説した。EQSを用いた分析方法も併せて紹介した。
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