早稲田大学文学部文学研究科
豊田研究室

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第74回心理学会ワークショップ

  • SEMに関する最近の話題から―理論と応用―

    企画者:岩間徳兼
    司会者:豊田秀樹

    構造方程式モデリング(SEM)はモデル表現における高度な柔軟性やパス図を用いた 直感的な結果提示などの優れた性質を持っており,心理学をはじめとして多くの学問領域 で利用される分析手法である。数理的な柔軟性から,SEMは各領域において種々の形で適用されるようになっているとともに,近年においても理論的な発展は続いている。しかし, 統計学を専門としない方々にとってはデータ分析にSEMを利用するのは敷居の高いことであり,SEMの利用場面に関する知識が限定されているのも事実である。  本ワークショップにおいては,近年発展したSEMに関する理論やSEMの適用場面などについての話題の中から,心理学の分野で有益なものをいくつか取り上げ,理論に関する説明を中心にその紹介をしたいと考えている。聴講者の方々の研究領域でのSEMの適用可能性の発見やSEMという分析手法自体への興味に繋がるワークショップとなれば幸いである。

    • 代替案に対する嗜好度の相関を推定するためのSEM一対比較モデルの提案

      一対比較法についての説明,SEMによる一対比較法の説明を行い,嗜好度間の相関推定モデルを紹介した。また,当モデルを利用しネーミングの一対比較を行った分析例を2つ提示した。
      発表者:岩間徳兼

    • 独自因子に対するグラフィカルモデルの適用

      独自因子に対するグラフィカルモデルを適用し,初期研究仮説の主要部分を維持したまま,モデルの改良を行う方法を解説した。教科の科目についての例と自己効力感尺度を開発する例を挙げつつ,数理的な説明を行った。
      発表者:福中公輔

    • セミパラメトリックアプローチによる非線形SEM

      Bauer(2005)の基本アイデアを元に,セミパラメトリックSEMの理論を解説した。非線形トレンドの表現方法と交互作用の表現を中心に説明を行い,具体例と共にセミパラメトリックアプローチによる非線形SEMの分析方法を論じた。
      発表者:川端一光

    • 2次と3次の積率を使った2段抽出モデルの理論と応用

      2次と3次の積率の統計学的な応用について説明した後に,2次の積率を使った場合の2段抽出モデルと,2段抽出モデルを非正規SEMで表現することで2次と3次の積率を利用したモデルについて解説した。
      発表者:尾崎幸謙
    • 集団AHPモデルを利用した評価者間で同一でない授業を評価うする授業評価モデルの提案

      授業評価における測定方法の研究史,一対比較法とAHPについて解説し,SEMによる集団AHPモデル(GAS)の紹介と適用例を示した。また,多角的な授業評価の適切な分析方法の提案を行った。
      発表者:池原一哉


    • 指定討論

      三浦麻子先生(関西学院大学)


  • 心理学におけるマルコフ連鎖モンテカルロ法の応用可能性

    企画者:鈴川由美
    司会者:豊田秀樹

    近年,マルコフ連鎖モンテカルロ法(Markov chain Monte Carlo; MCMC)を利用することで,従来困難であったモデルの推定も実行することができるようになりました。したがって,潜在変数を有するような複雑なモデルを分析する場面の多い心理学研究においてこそ,MCMCを適用する価値があるといえます。本ワークショップでは,このMCMCを利用した心理学の実践研究を紹介します。具体的な話題としては,0過剰ポアソンモデルを応用した手法や,IRT(項目反応理論)負の2項モデルをマーケティング場面で利用するための方法,IRTに基づく認知評価モデルを分析する方法などを取り上げます。また,フリーの統計解析ソフトRのパッケージBRugsの使い方も説明します。上記に挙げたモデルは,実践例の少ないモデルですが,BRugsを用いれば簡単にモデル構築が可能となるため,それぞれの手法について分析プログラムもあわせて紹介していきます。

    • フリーソフトウェア"R"で行うMCMCによるベイズ推定

      マルコフ連鎖モンテカルロ法の概論を説明し,RのパッケージBRugsの使い方を,架空データを項目反応理論の2母数モデルで分析するときの場合を例として用いながら,発表した。
      発表者:大久保治信

    • 当て推量を考慮したIRTモデル

      IRTの3母数モデルのうち,受験者が途中まで知識や能力に基づいて回答する場合に対処するIRT-TGモデル,自信のある項目のみ知識や能力に基づいて回答する場合に対処するIRT-TGモデル,項目が進むにつれて徐々にでたらめに回答する場合に対処するIRT-CGモデルにを紹介。実データにIRT-TGモデルと2母数モデルを適用し,分析結果を比較した。
      発表者:鈴川由美

    • 項目反応理論を用いた顧客ロイヤルティ測定の試み−百貨店ID-POSデータへの適用を通して−

      百貨店の顧客別ID付きPOSデータから顧客ごとに再来店までの日数を算出し,そのデータにIRT負の2項モデルを適用して,顧客ロイヤルティを測定する方法を発表した。受験者として顧客,項目としてテナントショップを配置することで,各ショップのロイヤルティの高い顧客の集客性も推定するモデルである。
      発表者:阿部昌利

    • 潜在クラスを用いた0過剰ポアソンモデルとMCMCの応用

      先の話題者に引き続き,百貨店のID-POSデータを用い,潜在クラスを利用したゼロ過剰ポアソン回帰モデルを利用して,1度しか来店せず再来店をしていない顧客の中から次回も来店する見込みの高い有望客を発見・特定する方法を提案した。
      発表者:大橋洸太郎

    • ゼロ過剰係数データによるポアソン回帰分析の適用例−心理学的ストレスモデルの要因が疾病休業に与える影響−

      疾病休業0日の労働者を,メンタルヘルスが非常に良好な者とストレス反応の悪化に従い疾病休業が出現すると予測される者を選別するために,ゼロ過剰ポアソンモデルを用いた分析例を報告。その他,心理学的ストレスモデルを構造方程式モデリングで検討した結果を発表した。
      発表者:鈴木綾子


      • 指定討論

        脇田隆文先生(関西大学)